醸造所の今後について

パドルブリュー代表の新居拓也です。

この度は、弊社醸造所の火災で多くの方にご心配をおかけしました。
また温かい言葉をいただきまして、本当にありがとうございました。

火災翌日の現場検証後、醸造所にはしばらくの間、警察の規制線が張られていたのですが、昨日解除され、久々に醸造所だった場所に入りました。

99%以上の物品がもう利用できなくなるほどの全焼。現場を見るのは堪えるのですが、さすがに日数も経っていることもあり、「よくこんな狭いところで製造していたなあ」という感慨深さもあり、不思議な気持ちでした。

結局火災の詳しい原因は分かっておりません。
以前も投稿した通り、当日、建物を出る際に火の元のチェックは入念に行いましたので、見えない場所で何かの燃焼が進んでいたということなのでしょう。

火災の直後は「もうクラフトビールなんてやめてしまおう。もうあんな大変な作業はうんざり」などとも思いました。「サイダーとかだったら、年間に決められた製造量などもないし、もっと気楽にやれるかな」なんて。

でも、なんだかぽっかりと胸に穴が開いた気がする。心が躍らないのはなんだろう。
そんな中、多くの方から応援の言葉をいただくうちにわかった気がしました。「パドルブリューは僕だけの醸造所はなかったんだな」と。

映画マネーボールに出てくるセリフにこんな言葉があります。
「人は野球に夢を見る」(”How can you not be romantic about baseball? ”)

なぜクラフトビール業界はこれほどまでに成長してきたのか。
それは人はビールに夢を見るからなんじゃないかなと思います。

折しも醸造所は移転の準備中でした。追加の出費は必要ですが、頑張ればなんとかなりそうです。なので、これからもクラフトビールで頑張ってみようと思います。

醸造所の移転は予定通り、この秋を目指しています。
新しい醸造所はみなさんが訪れたり、一緒にビールを作ったりできるような場所にする予定。そんな「みんなでビールに夢を見る醸造所」にしていくつもりです。

再開後にはぜひ醸造所の見学にお越しください。そしてたくさんビールを飲んでくださったらうれしいです。

新しいビールができるまでもうしばらくお待ちください。
今後ともパドルブリューをよろしくお願いいたします。

ブログに戻る